ミツワヒストリア


2代目社長 堀井秀雄の言葉


喜びを感じつつ働くのでなければ、それは罪悪である

働きやすく、働きがいのある職場

働くことは即生活の中身でもあり、人生の何割かを占める主要部分でもある。だから、働くこと自体に意義があり、喜びがない限り生活に喜びがあるはずはない。働くことは苦痛だが生活は楽しいという人がもしいたとしたら、私はその人は不幸だと思う。働くことに喜びがあれば、その人の生活はもっと楽しくなるはずだから。

働くことに喜びを得られるか否かは、働く人の感覚にあろう。しかし、働くことに喜びを与えられるか否かは経営者の手腕、力量にある。

経営者は教育者なり (1949年6月)

経営者たるものは、単に商売がうまいばかりでは不十分であって、それ以上に人格識見に長じ、よく教育者たる性格を有してこそ立派な経営者であると考えるのである。

もちろん、教育者といっても人間である以上、長所あり、短所あり、教育者たる経営者の長短が、その構成者に浸透することは当然であり、優秀な経営者が指導する会社が発展するのは、その意味から当然のことである。言い替えれば、経営の基礎はあくまで人間であり、経営を発展させるためには、優秀な経営者の下に優秀な人材を配すれば、おのずから業績は上がるわけである。

常識・良識・責任感 (1951年10月)

我々は常に常識と良識と責任感を持って勤務し、当社をして我々の働きやすい職場、働きがいのある職場たらしめんとするものである。我々は、喜びを感じつつ働くのでなければ、それは罪悪であると考えるからである。

常識は朝夕の挨拶、勤務態度、勤務動作、また言葉づかいの上に表れ、それが社内的には団結協力の基礎となり、また社外的には会社の信用をたかめ、取り引きの円滑化、業績の向上をもたらす要素ともなるのである。

徹底 (1959年1月)

我々は物事を不徹底にしがちである。義理や妥協や、また自らの意思の弱さによって、中途半端で放ってしまったり、中途で諦めてしまったりする場合が案外多い。

やるべきことと、やるべからざることとは、もう十分わかっているはずである。やるべきことを徹底してやり、やるべからざることは徹底してやらぬよう誓おうではないか。

トップページ掲載されている『縁』の文字は2代目社長堀井秀雄が好きな言葉で、直筆の書体である。昭和の頃から永年勤続の記念品として額に入れて社員に送るなどしていた。また、平成5年・6年にはこの『縁』を年間のスローガンとして掲げ、当時の年頭会合での挨拶で、堀井秀雄は以下のように述べている。

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年頭にあたり、昨年活躍された社員の皆さんを表彰しましたが、その中には『縁』という言葉が書いてあります。皆さんがミツワに入社した『ご縁』というのが、いかに大事なことかを理解していただきたい。当社は創業以来、社員同様、仕入先様、得意先様との『縁』を大切に今日までやって参りました。やはり人間というのは、人の交わり、業界の中の交わりということだけではなく、もっと広い意味で皆さんとの人間関係つまり人間の付き合いを大事にしていきたいと考える訳です。

皆さんが『縁』ということを考えて生活すれば、必ずや会社も発展するし皆さんの生活も変わって来ると思います。今後も皆さんの若い力をどんどん会社で発揮して、盛り上げていって欲しいと考えます。会社のため、あなた自身のため、大いに張り切って頑張ってもらいたい。

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20年以上を経た今でも、当社には堀井秀雄から教えられた『縁』を大切にする心が脈々と受け継がれ、社業の発展はもとより、当社をご支援頂いている皆様との信頼を築く礎となっている。


縁

むつかしいことを言うのはよそう

やさしく やさしく もっとやさしく…。

この言葉は1989年の4月に「私のひとこと」と題して、当時の三井銀行浅草橋支店(現:三井住友銀行浅草橋支店)の得意先として日本経済新聞に掲載された秀雄の言葉である。秀雄の仕事に対する考え方は常にシンプルで、難しい仕事でも本質が伝わるようなわかりやすい言葉で社員に対して指示を与えていた。

「やさしく やさしく もっとやさしく…」の言葉は慈愛に満ちた秀雄の人柄をよく表している。